最も人気のあるリレーショナルデータベース管理システムの1つであるMySQLは、それぞれが特定のニーズやユースケースに対応するように設計された様々なストレージエンジンを提供します。データベースのパフォーマンスを最適化し、データの整合性を確保するためには、適切なストレージエンジンを選択することが重要です。本日のブログでは、MySQLテーブルのストレージエンジンを選択する際に考慮すべき重要な要素について説明します。
ストレージエンジンを理解する
MySQLは、複数のストレージエンジンをサポートしており、それぞれに独自の機能、長所、短所があります。ストレージエンジンは、データベーステーブル内のデータの保存、取得、管理を処理します。InnoDBとMyISAMは、最も一般的に使用されるエンジンですが、他にも検討すべきエンジンがいくつかあります。
使用パターンを考慮する
ストレージエンジンを選択する最初のステップは、特定の使用パターンを理解することです。様々なストレージエンジンが様々なシナリオに最適化されています。選択肢は次のとおりです：
- InnoDB: これは、MySQLのデフォルトのストレージエンジンであり、書き込み集中型のワークロードとトランザクションを伴うアプリケーションに適しています。InnoDBは、ACID準拠を提供し、データの一貫性と信頼性を保証します。
- MyISAM: アプリケーションに読み取り集中型の操作があり、アプリケーションがトランザクションを必要としない場合は、MyISAMが適切な選択肢となる可能性があります。データウェアハウジングや読み取り負荷の高いレポートなどのシナリオで優れたパフォーマンスを発揮します。
- MRG_MyISAM: 他のMyISAMテーブルのコレクションであるテーブルを作成できるマージストレージエンジン。複数のテーブルにまたがる大規模なデータセットを管理する場合に便利です。
- MEMORY: このストレージエンジンは全てのデータをRAMに保存するため、データへの高速アクセスが重要なシナリオに最適です。ただし、MEMORYエンジンに保存されているデータは揮発性であり、サーバーを再起動すると保持されないことに注意することが重要です。
- Blackhole: データは受け入れられるが保存されない「ブラックホール」として機能します。データを実際にローカルに保存せずに他のサーバーにレプリケートするシナリオに役立ちます。
- CSV: CSV形式を使用してデータをテキストファイルに保存します。CSVファイルを使用するデータベースとアプリケーション間のデータ交換に適しています。
- Performance_Schema: 実行時のサーバー実行に関するパフォーマンス関連の情報を提供するストレージエンジン。パフォーマンスの監視と最適化に役立ちます。
- ARCHIVE: このエンジンは、最小限のスペース要件で大量のデータを保存するために最適化されています。これは、高速なデータ取得が主な関心事ではないアーカイブ目的に適しています。
InnoDBとMyISAMの比較
InnoDBとMyISAMは最も人気のあるストレージエンジンです。トランザクション機能、データの整合性、信頼性、パフォーマンスの観点から、それぞれのエンジンの長所と短所を少し考えてみましょう。
アプリケーションに複雑なトランザクションが含まれ、アプリケーションがロールバックやセーブポイントなどの機能を必要とする場合は、InnoDBが有力な候補になります。InnoDBは、完全なACID準拠を提供し、トランザクションが確実に処理されることを保証します。一方、アプリケーションがトランザクションに大きく依存しておらず、時折発生するデータの不整合を許容できる場合は、MyISAMのようなストレージエンジンの方が適している可能性があります。MyISAMは、InnoDBほどもトランザクションをサポートしていませんが、読み取り負荷の高いワークロードに対しては良好なパフォーマンスを発揮します。
データの整合性が最重要であるアプリケーションの場合、多くの場合で、InnoDBが推奨されます。InnoDBは、クラスター化インデックスを使用し、外部キー制約をサポートし、テーブル間の参照整合性を確保します。これは、データの一貫性を維持することが最優先事項であるアプリケーションにとって非常に重要です。アプリケーションが低レベルのデータ整合性を許容できる場合は、MyISAMが検討される可能性があります。MyISAMは、外部キー制約をサポートしていないため、クラッシュが発生した場合にテーブルレベルの破損が発生する可能性が高くなります。したがって、パフォーマンスとデータの信頼性の間のトレードオフを比較検討することが重要です。
パフォーマンスは、ストレージエンジンを選択する際の重要な要素です。InnoDBは、マルチバージョン同時実行制御（MVCC）のサポートにより、書き込み集中型のシナリオで優れたパフォーマンスを発揮することで知られています。行レベルのロックを使用することで競合が軽減され、同時実行性が向上します。一方、MyISAMは、読み取り集中型のワークロードに優れています。テーブルレベルのロックを使用するため、書き込み負荷が高いシナリオでは同時実行性に影響を与える可能性がありますが、読み取り操作の高速化が可能になります。
Navicatでのストレージエンジンの選択
MySQLでは、各テーブルが独自のストレージエンジンを持つことができるため、 Navicat は、最新の自動インクリメント値、最終変更日、データ長、行数などの他の関連情報とともにテーブルオブジェクトエクスプローラーにそれを表示します：
テーブルのストレージエンジンを設定または変更するためには、テーブルデザイナーを開き、オプションタブをクリックします。そこには、サポートされているエンジンのドロップダウンと、他の多くの関連フィールドがあります：
それぞれのストレージエンジンに独自の属性があるため、その他の設定可能なオプションは選択したエンジンによって異なります。例えば、InnoDBエンジンのフィールドは次のとおりです：
一方、MEMORYエンジンが提供する設定オプションは少ないです：
結論
MySQLテーブルに適切なストレージエンジンを選択することは、アプリケーションのパフォーマンス、信頼性、およびスケーラビリティに直接影響を与える重要な決定です。使用パターン、トランザクション要件、データ整合性のニーズ、パフォーマンスに関する考慮事項を慎重に検討し、特化したストレージエンジンを検討することで、組織の目標に沿った、情報に基づく意思決定を行うことができます。
